みずいろ

  風に揺れる 鈴の音がすると
  ときどき
  君を思い出すんだ

  お向かいのシュロの木陰
  くずれかけ ブロック塀に
  もたれかかって 聴いていた
  音
  きれいな音を

  目を開いて
  手を伸ばして
  見上げてごらん
  ほら

  シャボン玉みたいな 白い太陽が
  みずいろの空いっぱい
  はじけ飛んでしまいそう

  調子はずれの 小鳥の声がすると
  ときどき
  君を思い出すんだ

  静かな雨の午後
  軒下のアリの巣を
  数えながら 聴いていた
  声
  きれいな声

  目を開いて
  手を伸ばして
  見上げてごらん
  ねぇ

  窓を打つ 雨粒
  ひとつひとつが
  からっぽの空いっぱい
  ふくらんでしまいそう

詩・曲:小泉やよい
収録アルバム『そら』(2006年)